YPS2016     - Young Perceptionists' Seminar 2016 -

プログラム

YPS2016 プログラム

YPS2016 ポスター

YPS2016 第一号通信

YPS2016 第二号通信


特別講演

御領謙 先生 (千葉大学文学部名誉教授)

心を語る「ことば」と「水準」について考える

私たちは誰でもが心について考え、心について語る。日常生活や文学においては日常言語がその道具である。心を科学的に解明しようと試みている諸科学においては日常言語に加えて様々な「ことば」が使用される。行動主義者は刺激と反応という「ことば」で有機体を説明する。認知心理学を含む認知科学の諸分野では状況は複雑である。心はその現象、機能・機構、および生理的対件(神経系)の3水準から観察される。認知諸科学はそれぞれに重なりつつも異なる水準を受け持ち、それぞれの「ことば」は日常言語や数式、処理過程の流れ図やプログラム言語、神経回路等々、三者三様である。人間の心の統一的理解を進めるためには、この混沌にどのような道筋をたてればよいのであろうか。答えは簡単には見つからないが、このことを考えつつ、認知心理学があくまでも心理学であることの必要性と意義について考える。

田谷修一郎 先生 (慶応義塾大学法学部専任講師)

機能は形に従うか?:視知覚における身体の枠組み

「形は機能に従う(form follows function)」とは、19世紀の建築家ルイス・サリバンによる言葉であり、物の形はその機能によって決まる(べし)というデザインの理念を示すものだが、知覚のメカニズムを考える上でも有用な枠組みを提供するように思われる。知覚の目的は、我々が生命や社会活動を維持し、生物的・社会的に死なないよう、身の回りの生物や無生物に触れたり避けたり会話を交わしたりといった相互作用を行う上で役立つ情報を提供することである。そうであれば知覚には、環境と相互作用するためのインターフェイスとして人体を捉えることでより良く理解できる側面も多いのではないだろうか。本講演では視知覚の成り立ちに身体が及ぼす影響について、いくつかの現象を題材に検討した結果について報告する。